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親族女性に対する強姦などの罪で服役中、被害証言が
嘘だったと判明し、昨年１０月に再審無罪が確定した
男性（７３）と妻が５日、不十分な捜査や予断に
基づく公判は違法だったとして、国と大阪府に
慰謝料など計約１億４千万円の賠償を求める訴訟を
大阪地裁に起こした。

男性は平成２０年、当時１０代だった同居の親族女性に
対する強姦、強制わいせつ容疑で逮捕、起訴された。
男性は一貫して無罪を主張したが、２３年４月に
最高裁で懲役１２年が確定した。

ところが２６年、親族女性が被害証言を翻したため、
男性は再審請求。女性に性的被害がなかったことを
示す医療機関の診療記録も見つかり、大阪地検が
刑の執行を停止して釈放、大阪地裁が２７年２月に
再審開始を決定した。勾留・服役期間は約６年に及んだ。

男性側は訴状で、大阪府警や大阪地検が診療記録の
確認を怠ったと指摘。裁判所も１０代の少女が嘘を
言うはずがないという予断のもと、弁護側が求めた
関係者の証人尋問を却下するなど冤罪（えんざい）を
発見しようとする姿勢が欠如していたと批判し、
「誤判の責任が明らかにされる必要がある」
と訴えている。